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元図書館司書の読書日記。不定期更新。

きいろいゾウ / 西加奈子 夫婦喧嘩したらこれを読んで!

こんにちは。

夫婦喧嘩は犬も食わない

というように、夫婦にはそれぞれ他人には分からない夫婦の事情があったりします。

かといって、お互い意地になって長引かせてもしんどいですよね。

そんな時は今日紹介するこの本を読めば、

パートナーと仲直りしたくなる…かも?

 

きいろいゾウ / 西加奈子 (小学館文庫)

 

あらすじ

 夫の名は武辜歩、妻の名は妻利愛子。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う都会の若夫婦が、田舎にやってきたところから物語は始まる。背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、周囲の生き物(犬、蜘蛛、鳥、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れた明るいツマをやさしく見守っていた。

 夏から始まった二人の話は、ゆっくりと進んでいくが、ある冬の日、ムコはツマを残して東京へと向かう。それは、背中の大きな鳥に纏わるある出来事に導かれてのものだった―――。 『きいろいゾウ西加奈子 より引用

 

感想

 

皆さん、パートナーや家族とよくケンカしますか?

我が家は喧嘩は滅多にないのですが、

よく私が小さなことに腹を立ててひとりでプンプンすることはあります。

大体寝れば忘れるんですけど。あと甘いものとか食べれば。

しかしもし今後大きな喧嘩をしてしまったら、

私はこの「きいろいゾウ」を読もうと決めています。

 

この物語の主人公は、お互いをムコさん、ツマと呼び合う夫婦です。

この本の冒頭、きいろいゾウが出てくる絵本の最初のページかと思われる文章の後、

この夫婦の物語が始まります。

上記のあらすじにある通り、季節は夏、東京から田舎(三重かと思われる。違うかな?)に越してきたふたり。

しばらく、田舎暮らしを始めた夫婦とそのまわりの人々の日常が綴られます。

しばらくは田舎へ移住した若い夫婦の日常系の話だなと読んでいました。

もちろんそれはそれでほっこりしてて面白いのです。

でも読んでいるといつのまにやら西加奈子ワールドへ引き込まれていて愕然。

ツマのちょっと特異体質なところとか、女性の幽霊の謎とか、

すべてが最後に向けて丸く収まっていく感じが素晴らしい。

冬に近づくにつれ、ムコとツマの関係があまり良くないものになっていったときは、

心がとてもぎゅーっとなり、ページをめくる手も止まらなくなります。

いったいどうなるんやろ?

ムコさん!!!!ツマを置いてどこ行くん?!

(小説に引きずられてもはや三重弁。)

 

何より、この記事を書くにあたって再読したのですが、

2回目の号泣をしてしまいました。

今、目赤いです。

 

とにかく、もし夫婦喧嘩したら、彼氏・彼女と喧嘩したら、

この本を読んでみてください。

絶対、仲直りしたくなると思います。

今一緒にいられる幸せを思い出させてくれる、そんな物語です。

 

では、また!

 

 

きいろいゾウ (小学館文庫)

きいろいゾウ (小学館文庫)

 

 

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