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元図書館司書の読書日記。不定期更新。

蒸し暑い夜にヒヤッとする怪談はいかが?【宮部みゆき】三島屋変調百物語シリーズ 

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こんにちは!

今日は夏の蒸し暑い夜にピッタリな、宮部みゆきの三島屋変調百物語シリーズを紹介します。

 

三島屋変調百物語シリーズとは?

 

宮部みゆきといえば、世間ではミステリ作家のイメージが強いかと思います。

しかし彼女はミステリだけではなく、時代小説、江戸ものも多く書いているのです。

そして私は宮部みゆきの一連の江戸もの作品の大ファン!!

そんな江戸を舞台にした作品のなかで、特にホラー色が強く夏にピッタリなのがこの、

『三島屋変調百物語』シリーズです。

江戸の町で起こる不思議な怪談話が短編で収められています。

現在シリーズ3作目まで出版されています。

ゾクッとするけれど、同時にほっこりする。

そんな不思議な怪談話をどうぞ!

 

このシリーズの主な登場人物

 

おちか  ・・・ 本作の主人公。過去の事件で心を閉ざす。百物語の聞き役。

伊兵衛  ・・・ ちかの叔父。袋物屋「三島屋」の主人。

お民   ・・・ 伊兵衛の妻。

おしま  ・・・ 三島屋の女中。

お勝   ・・・ 三島屋の女中。

八十助  ・・・ 三島屋の番頭。

新太   ・・・ 三島屋の丁稚。

灯庵   ・・・ 口入屋の主人。後に百物語の客も斡旋するようになる。

 

おそろし 三島屋変調百物語事始(ことはじめ) / 宮部みゆき (角川文庫) 

 

 

あらすじ

17歳のおちかは、ある事件を境に、ぴたりと他人に心を閉ざした。ふさぎ込む日々を、叔父夫婦が江戸で営む袋物屋「三島屋」に身を寄せ、黙々と働くことでやり過ごしている。ある日、叔父の伊兵衛はおちかに、これから訪ねてくるという客の応対を任せると告げ、出かけてしまう。客と会ったおちかは、次第にその話に引き込まれていき、いつしか次々に訪れる客のふしぎ話は、おちかの心を溶かし始める。三島屋百物語、ここに開幕。『おそろし』宮部みゆき 表紙裏より  

 

まずはシリーズ1作目!

シリーズの中でもこの1作目が一番ゾッとする話が多いように思います。

おちかがなぜ百物語の聞き役を始めたのか、また、

おちかの過去に起こった事件とは何だったのか?

これらのことが語られているので、まずこの1作目を読んでください。

 

あんじゅう 三島屋変調百物語事続(ことのつづき) / 宮部みゆき (角川文庫)

 

あらすじ

一度にひとりずつ、百物語の聞き集めを始めた三島屋伊兵衛の姪・おちか。ある事件を境に心を閉ざしていたおちかだったが、訪れる人々の不思議な話を聞くうちに、徐々にその心は溶け始めていた。ある日おちかは、深考塾の若先生・青野利一郎から「紫陽花屋敷」の話を聞く。それは、暗獣“くろすけ”にまつわる切ない物語であった。人を恋いながら人のそばでは生きられない“くろすけ”とは―。三島屋シリーズ第2弾! 

 『あんじゅう』表紙裏より 

 

シリーズ2作目。1作目より表題作の『あんじゅう』をはじめ、ほっこり系のお話が多いように感じます。

怖いのが苦手な人でも気安く読めるのではないでしょうか?

また若先生の利一郎が登場するのも必見!

 

泣き童子 三島屋変調百物語参之続(さんのつづき) / 宮部みゆき (角川文庫)

 

 

あらすじ

三島屋伊兵衛の姪・おちか一人が聞いては聞き捨てる変わり百物語が始まって一年。幼なじみとの祝言をひかえた娘や田舎から江戸へ来た武士など様々な客から不思議な話を聞く中で、おちかの心の傷も癒えつつあった。ある日、三島屋を骸骨のように痩せた男が訪れ「話が終わったら人を呼んでほしい」と願う。男が語り始めたのは、ある人物の前でだけ泣きやまぬ童子の話。童子に隠された恐ろしき秘密とは―三島屋シリーズ第三弾!

『泣き童子』表紙裏より

 

2016年6月に出版されたばかりのシリーズ3作目。

これまたちょっとゾッとするお話が…

前作の2作品がこの世のものではない怖さだとしたら、

この表題作の『泣き童子』は人間の怖さが非常によく描かれています。

でももちろんほっこりするお話もありで、大満足の1冊です。

 

おわりに

 

今回は、宮部みゆきの『三島屋変調百物語』シリーズを紹介しました。

まだこのシリーズは続いているみたいなので、今後もとても楽しみです!

短編になっているので、真夏の夜の寝物語に最適です。

あなたも江戸の怪談話で涼しくなりませんか?

 

 

宮部みゆき<1960->

1987年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞してデビュー。
89年「魔術はささやく」で日本推理サスペンス大賞、92年「龍は眠る」で第45回日本推理作家協会賞長編部門、同年「本所深川ふしぎ草紙」で第13回吉川英治文学新人賞、93年「火車」で第6回山本周五郎賞、97年「蒲生邸事件」で第18回日本SF大賞、99年「理由」で第120回直木賞、日本冒険小説大賞、2001年「模倣犯」で毎日出版文化賞、02年第6回司馬遼太郎賞、第52回芸術選奨文部科学大臣賞文学部門、07年「名もなき毒」で第41回吉川英治文学賞を受賞。

Amazon.co.jp: 宮部 みゆき:作品一覧、著者略歴

 

 

 

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