inumimiblog

元図書館司書の読書日記。不定期更新。

なんくるない / よしもとばなな 旅と本

こんにちは。

今日は昨日とは打って変わって

かなりポカポカ陽気の一日でしたね。

先週末、旅行で沖縄の石垣島に行ったのですが、

今日はその時くらい暖かかった。

 

記念すべき1冊目は何にしようかと、

かなり考えていたのですが…

この陽気で石垣島を思い出したので

道中の飛行機の中で読んでいた、

なんくるない / よしもとばなな にしちゃいます。

もう気分です。

 

なんくるない よしもとばなな著(新潮社)

 

あらすじ

沖縄には、神様が静かに降りてくる場所があるー。心ここにあらずの母。不慮の事故で逝った忘れえぬ人。離婚の傷がいえない私。野生の少女に翻弄される僕。沖縄のきらめく光と波音が、心に刻まれたつらい思い出を、やさしく削りとっていく……。なんてことないよ。どうにかなるさ。人が、言葉が、光景が、声ならぬ声をかけてくる。なにかに感謝したくなる滋味深い四つの物語の贈り物。(『なんくるないよしもとばなな著 より引用)

感想

旅行するときはいつも、

その旅行先が舞台になっている本を読むのが趣味でして。

今回もフライトの前に、空港の書店にふらっと立ち寄りました。

沖縄が舞台の小説ってたぶんたくさんあると思うのですが、

すぐにこの本が目に飛び込んできました。

だって、タイトル、なんくるないですよ。

もう確実に沖縄!即決!

 

そしてこの本を読んでみた感想はというと、

結論から言って、ああ早く沖縄に行きたい!と思いました。

本書から引用したあらすじでも書いてありますが、

この本は沖縄を舞台にした四つの短編で出来ています。

 

特に表題作の「なんくるない」はとても良かった。

離婚に傷つき、東京に傷ついたアラサーの主人公が、

沖縄に旅行に行くという話。

よしもとばななさんの描く女性ってなんか

守ってあげたい少女のような人が多いですよね。

そしてみんな美人でモテ女子。(のような気がする。ただの妄想。)

と、まあそんな精神的に疲れている主人公が、

沖縄に旅行するのです。

旅をして、美味しいものを食べて、海で泳いで、

どんどん元気を取り戻していくのです。

そして、沖縄の青年トラに会い…

 

よしもとばななさんの世界観で描く沖縄の描写が

とても気持ちがよく、読んでいるこちらにも

沖縄の雰囲気が伝わってくるような気がしました。

沖縄そばも美味しそう。(結局食欲。)

とにかくサラサラとした読後感。

 

本書で私がドッグイアをした部分はこちらです。

海とか、空とか、その日のお天気の中に、すっごいものがたまに混じってるんだ。それ、何回見ても、また見たい、もう一回見るまで生きてようって、思うんだ。(『なんくるない』p189)

 

すごくいい。沖縄ってまさにそんなかんじ。

実は今回が初の沖縄だったのですが、

石垣島の景色に圧倒されました。

海にも山にも、あの生々しい自然に圧倒されました。

病む前に、ここに来よう。そう思いました。

移住者が多いのも納得ですね。

 

そして、本書のあとがきで作者も言っているのですが、

この本は観光客の視点で書いた本だということです。

今回かなり適当に選んだ旅の本でしたが、

ぴったりだったんだなぁと思いました。

 

みなさんもこの本を読んだら、

きっと沖縄に行きたくなると思います。

 

 

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