森ワールドはここから始まる!『すべてがFになる』 森博嗣
こんにちは!
今日は名作ミステリを紹介します!
すべてがFになる THE PERFECT INSIDER / 森博嗣 (講談社文庫)
あらすじ
孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。 『すべてがFになる』森博嗣 表紙裏より
感想
はい~!ついに登場、森博嗣。
私大好きなんです。森ワールドの住人になりたいくらいです。
今日は森博嗣のデビュー作でもあり代表作の一つでもある『すべてがFになる』を紹介します!
ドラマ・アニメ化もしているので知っている方も多いのでは?
ストーリー
N大助教授・犀川創平とN大の学部1年生・西之園萌絵は、ゼミの合宿で日間賀島を訪れていた。
日間賀島は真賀田四季博士が所有する孤島であるが、お嬢様の萌絵の力でキャンプの場所を提供してもらった。
島にある真賀田四季博士の研究所に犀川と萌絵がいる時に、偶然にも殺人事件が発生する。
被害者は真賀田博士。しかし彼女の部屋は密室だった。
果たして彼女は誰に殺されたのか?
二人は真相を暴くことができるのか?
S&Mシリーズの第一作目
この『すべてがFになる』は、森博嗣のデビュー作で、第1回メフィスト賞を受賞した作品です。
そして、彼の代表的なシリーズのひとつ、S&Mシリーズの第一作目でもあります。
ちなみにS&Mシリーズとは、本書の主人公・犀川創平と西之園萌絵のふたりのイニシャルにちなんで名付けられています。
この二人が主人公の作品群をS&Mシリーズと言い、全部で10作品あります。
全ての作品に、英語のサブタイトルもついていて、それがとても洒落ています。
理系ミステリ
著者の森博嗣は、なかなか面白い経歴の持ち主で、元名古屋大学の建築学科の助教授です。
デビューしてしばらくはミステリ作家と助教授の二足の草鞋だったそうです。
彼の作品は、理系ミステリと言われていて、トリックがとても理系的です。
理路整然とした謎解きが楽しめるのも特徴です。
本書も、というかS&Mのメインキャラクターの二人も、
犀川先生がN大建築学科の助教授、西之園萌絵は同じ学科の生徒という設定です。
読んでいると、犀川先生と著者の森博嗣をついつい重ねてしまいます。
余談ですが、私の知人は高校2年生の時にこのシリーズに出会い、
急遽理系の学部に進学することに決めたそうです。
彼女は今、研究の道に進んでいます。
私も早く出会っていれば、今頃白衣着てたかも…と妄想しちゃいます。
(当時の数学の成績を思い返せば、絶対無理だったけど!)
魅力的なキャラクターと森ワールド
本書の魅力は、奇想天外なトリックだけではありません。
魅力的なキャラクターの人間ドラマ、個性的な森ワールドにハマる人が続出しています。
ミステリとしての面白さもさることながら、
シリーズを続けて読んでいくと、この人間ドラマに夢中になってしまうと思います。
そしてまた次、また次、次のシリーズ…といつしか本棚が森作品だらけという事態に。(経験談)
本書を読んで、面白いと感じたら、ぜひこのシリーズを続けて読むことをお勧めします!
おわりに
今日は森博嗣の理系ミステリを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
この本をきっかけにたくさんの人が森ワールドに足を踏み入れてくれたらいいな!
森博嗣<1957->
1957年愛知県生まれ。工学博士。 某国立大学の工学部助教授の傍ら1996年、『すべてがFになる』(講談社文庫)で第1回メフィスト賞を受賞し、衝撃デビュー。以後、犀川助教授・西之園萌絵のS&Mシリーズや瀬在丸紅子たちのVシリーズ、『φ(ファイ)は壊れたね』から始まるGシリーズ、『イナイ×イナイ』からのXシリーズがある。 ほかに『女王の百年密室』(幻冬舎文庫・新潮文庫)、映画化されて話題になった『スカイ・クロラ』(中公文庫)、『トーマの心臓 Lost heart for Thoma』(メディアファクトリー)などの小説のほか、『森博嗣のミステリィ工作室』(講談社文庫)、『森博嗣の半熟セミナ博士、質問があります!』(講談社)などのエッセィ、ささきすばる氏との絵本『悪戯王子と猫の物語』(講談社文庫)、庭園鉄道敷設レポート『ミニチュア庭園鉄道』1~3(中公新書ラクレ)、『自由をつくる 自在に生きる』(集英社新書)など新書の著作も多数ある。 Amazon.co.jp: 森 博嗣:作品一覧、著者略歴