大正時代の美しき歌人に学ぶ 『白蓮れんれん』 林真理子
こんにちは!
めざましの『きょうのわんこ』→チャンネル変えて『とと姉ちゃん』が習慣化してきている今日このごろ。
この間本屋に行ったら、『とと姉ちゃん』の影響なのか。
『暮しの手帖』が目立つ場所に平積みされているのを見ました。
最近の朝ドラは、昔の実在の人物の話が多いですね。
かなりフィクションは入っていると思いますが、やはり歴史に名を遺している女性の人生は面白い。
というわけで、本日は実在の女性を描いた伝記小説を紹介します。
白蓮れんれん / 林真理子 (集英社)
あらすじ
「筑紫の女王」と呼ばれた美しき歌人・柳原白蓮が、年下の恋人、宮崎龍介と駆け落ちした、世に名高い「白蓮事件」。華族と平民という階級を超え、愛を貫いたふたりの、いのちを懸けた恋―。門外不出とされtrきた七百余通の恋文を資料に得て、愛に翻弄され、時代に抗いながら、真実に生きようとする、大正の女たちを描き出す伝記小説の傑作。
『白蓮れんれん』林真理子 より引用
感想
何期か前の『花子とアン』もたまに見ていたのですが、
しかもどうやら当時にしては奔放な方だったということで、かなり気になっていました。(ミーハー心で)
ドラマの放送時期に本屋に言ったら、今日紹介するこの『白蓮れんれん』が平積みされていました。
迷わず購入。
小さいころから伝記好きでしたし、久しぶりに読んでみたいなあと思ったのです。
しかも恋愛小説の名手、林真理子が書いているんだからという期待もありました。
はてさてその通り。かなり読み応えのある本でした。
歴史にさほど詳しくはないのですが、この本一冊読むと、白蓮の理解者になったような気分になります。
ちょっとここらへんで、朝ドラの蓮子さんのモデルになった歌人・白蓮についてご紹介します。
柳原 白蓮(やなぎわら びゃくれん、1885年(明治18年)10月15日 - 1967年(昭和42年)2月22日)は、大正から昭和時代にかけての歌人。本名は宮崎燁子(みやざきあきこ)、旧姓:柳原(やなぎわら)、北小路(きたこうじ)、伊藤(いとう)。大正三美人の1人。白蓮事件で知られる。
父は柳原前光伯爵。母は前光の妾のひとりで、柳橋の芸妓となっていた没落士族の娘[注釈 1]奥津りょう。東京に生まれた。
Wikiってみました。
本名は燁子っていうんですね。
やんごとなき身分の女性です。
しかし彼女は人生で3回結婚しており、最初の2回は望まぬ結婚、いわゆる政略結婚でした。
しかもかなり不幸な結婚生活です。
彼女はその2回の結婚生活において一回も夫に愛情を持つことができなかったそうです。
そして燁子34歳の時、7歳年下の編集者・宮崎龍介に出会い、恋に落ちます。
その2年後、彼らは「白蓮事件」といわれる命がけの駆け落ちをするのですが、
それまでの間二人がやり取りをしていたという恋文を史料にして、作者はこの伝記を書いたわけです。
もう伝記というよりかは大恋愛小説です。
この物語自体は、2回目の結婚で九州にお嫁に行くところから始まります。
書かれていない1回目の結婚を鑑みても(気になる方はぜひWikiって見てください。)、
彼女はとことん運命に翻弄されています。
けれど、彼女は決してあきらめないのです。
自分で自分の運命を切り拓いていく貪欲さ。
常識を振りほどいてしまえる潔さ。
リアルな女のたくましさというものが燁子からは感じられます。
女性の綺麗な部分とドロドロな部分。
それらを上手に描いている作品だと思います。
燁子は決して朝ドラのヒロインにはなれないだろうけれど、
朝ドラのヒロインより感情移入してしまうのはきっと私だけではないと思う。
(あ、もちろん朝ドラのヒロインも大好きですけどね!)
歌人・白蓮の生きざま、ぜひ読んでみてください。
あなたは彼女の人生をどう思いますか。
ではまたあした!