「死」と向き合う 『キッチン』 吉本ばなな
こんにちは!
今日はあの不朽の名作を紹介します。
キッチン / 吉本ばなな (新潮文庫)
あらすじ
私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う―祖母の死、突然の奇妙な同居、不自然であり、自然な日常を、まっすぐな感覚で受けとめ、人が死ぬことそして生きることを、世界が不思議な調和にみちていることを、淋しさと優しさの交錯の中で、あなたに語りかけ、国境も時もこえて読みつがれるロング・ベストセラー。 『キッチン』よしもとばなな より引用
感想
吉本ばななのデビュー作にして、大ベストセラー。
実はこの本は短編集になっていて、
- キッチン
- 満月 キッチン2
- ムーンライト・シャドウ
以上の3点が収録されています。
私は『ムーンライト・シャドウ』もかなり好きなんですが、
今日はやはりタイトルにもなっている『キッチン』について語っていこうかなと。
『キッチン』も含め、3篇全部、親しい人の死がテーマになっています。
主人公のみかげは唯一の肉親の祖母を亡くしてしまう。
悲しみで何もできず過ごしていると、ある日、田辺雄一という青年が訪ねてくる。
雄一は生前の祖母の知り合いだった。
「しばらくうちに来ませんか」
という彼の申し出になぜか乗ってしまったみかげは、
雄一と彼の‟母”と3人で暮らし始める…
死というとても重いテーマなのに、吉本ばななの手にかかるとなぜこうも透明感がでるのだろう。
彼女がまだ20代前半、今の私よりも若い時にこの小説を書いただなんて、
なんて才能だろうとただただ感心します。
吉本ばななの中毒性について
私はなぜか急にこの小説を読みたくなる時があります。
ほんとに急に!だから実家に母の『キッチン』がもともとあるんですけど、
家を出てから自分用に1冊買いました。いつでも読めるように。
吉本ばななの小説は何冊か読んでいるのですが、やはり私はキッチンが一番好き。
生きていたら逃れられない「死」というテーマを、
こんなにも爽やかに書ける作家さんはなかなかいないのではないでしょうか。
3篇全部で200ページにも満たない長さの本です。
ぜひ一度読んでみてください。
では、また明日!