映画を観る前に読んでおこう!『ふしぎの国のアリス』『鏡の国のアリス』 ルイス・キャロル
こんにちは!
7/1に「アリス・イン・ワンダーランド / 時間の旅」が公開されましたね!
2010年に公開された前作のアリス・イン・ワンダーランド、実は原作の『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』の両方から着想を得て作った作品だって知っていましたか?
ディズニー映画のアリスは観たことがあっても、意外と原作は読んだことがないという人も多いのでは。
続編の映画を観る前に、原作の『ふしぎの国のアリス』と『鏡の国のアリス』を読んでみるのはいかかでしょう?
不思議の国のアリス / ルイス・キャロル (角川文庫)
あらすじ
ある昼下がり、アリスが土手で遊んでいるとチョッキを着た白ウサギが時計を取り出しながら、急ぎ足に通り過ぎ、生き垣の下の穴にぴょんと飛び込みました。アリスも続いて飛び込むと、そこは…。チェシャーネコ、三月ウサギ、帽子屋、ハートの女王など、一癖もふたくせもあるキャラクターたちが繰り広げる夢と幻想の国。ユーモア溢れる世界児童文学の傑作を、原文の言葉あそびの楽しさそのままに翻訳した、画期的新訳決定版。
鏡の国のアリス / ルイス・キャロル (角川文庫)
あらすじ
「不思議の国」から半年後の雪の日。子ネコのキティとおしゃべりを楽しんでいたアリスは、暖炉の上の鏡をくぐり抜けてしまいます。なんとそこは、赤白のキングやクイーン、ナイトらの住むチェスの世界。さらには、おしゃべりする花々や卵のハンプティ・ダンプティも集い…おのずとチェスゲームに参加したアリスは、女王を目指すのですが…。ジョン・テニエルの美しいオリジナル挿絵を全点収録、永遠の名作童話の決定版。
感想
小さい頃、ディズニーのアリスをよく見せられて育ちました。
なのでアリスはディズニーのイメージが強かったのです。
しかしもう少し大きくなってからキャロルの原作を読んだ時、
ディズニーよりもっとハチャメチャな世界観に魅了されました。
ナンセンスな言葉遊びとマザーグース
常識が通用しない怖いような不思議な世界。
そういった世界を形成しているのがナンセンスな言葉遊びや、
当時の教訓詩と流行歌のパロディーです。
正直現代の私たちには分からないものも多いのですが(何せ初版が1865年!)、
分かるものもあるので紹介します。
『不思議の国のアリス』のティーパーティーのシーンで帽子屋(マッドハッタ―)が披露する、
「きらきら光る、お空のこうもり…」という唄。
ディズニー映画にもこのシーン出てきますよね?
(ディズニーでは鼠が歌ってた気がします…)
これは、童謡の「きらきら星」のパロディなのだそう!
また、『鏡の国のアリス』はマザーグースに由来するキャラクターが出てきます。
ハンプティ・ダンプティや双子のトゥイードルダムとトゥイードルディーは、
『不思議の国のアリス』ではなくて、『鏡の国のアリス』のキャラクターだったって知っていましたか?
ジョン・テニエルの挿絵
アリスを読むのであれば、ジョン・テニエルの挿絵のついているものがオススメです。
ジョン・テニエルの挿絵がさらにその世界観を盛り立てています。
キャロルが挿絵にこだわりを持っていた為、口うるさくテニエルに注文したと言われています。
現在のアリスの世界のイメージは、テニエルの挿絵が大きく影響しているそうで、
鏡の国のアリスに出てくるマザーグースが基になっているハンプティ・ダンプティや、
双子のトゥイードルダムとトゥイードルディーはテニエルの挿絵が後世のキャラクターイメージに重要な役割をはたしているそうです。
トゥイードルダムとトゥイードルディー 『鏡の国のアリス』より出典
あなたはどっち派?
私は実は『鏡の国のアリス』派です。
『不思議~』の続編として『鏡~』が作成されたわけですが、
不思議の方は、キャロルがアリス・リデルという10歳の女の子に語って聞かせた物語が高評されて出版に至った経緯から空想物語風なのに対し、
鏡は出版する前提で作成したため、かなり緻密に物語が設計されています。
鏡の物語のモチーフは、マザーグースとチェスです。
マザーグース由来のキャラクターが出てくるほか、
この鏡の国の世界が巨大なチェスゲームで成り立っていて、アリスも駒の一つとして参加する設定になっているのです。
また、実は映画の「アリス・イン・ワンダーランド」のジャバウォックは、
鏡の国の作中作「ジャバウォックの詩」から構想を得ているんです。
おわりに
今日は、児童文学の名作を紹介しました。
アリスはディズニーに始まり今回の映画など、
様々なパロディ作品があります。
原作を読んでおくと、ここはあのシーンのパロディだな~とか、
そういう風に表現するんだ!とか、かなり楽しむことができます。
ぜひ映画を観る前に、原作を読んでみて下さい。
また原作を読んでから、様々なパロディ作品を観直してみるのもとても楽しいのでオススメです!