夏休みに読みたい名作 『海になみだはいらない』 灰谷健次郎
こんにちは!
今日は久しぶりに児童文学を紹介します。
ちょっと気が早いですが、夏休みに読みたい名作です。
海になみだはいらない / 灰谷健次郎 (角川文庫)
あらすじ
海が好きな島の少年章太と都会から来た少女佳与。それぞれ悩みを抱えながらもたくましく生きる子供たちの、心の成長を描いた表題作の他、個性的な担任教師と生徒たちとのふれあいをユーモラスに綴った『きみはダックス先生がきらいか』、人間のやさしさを五つの珠玉の物語の中に描く『ひとりぼっちの動物園』など、灰谷健次郎がすべての大人と子供に贈る感動の名作児童文学。 『海になみだはいらない』灰谷健次郎 より引用
感想
この本には、この表題作を含め全部で3篇の作品が収められています。
しかし今日はこの表題作の『海になみだはいらない』について書いていきたいなと思います。
まず作者の灰谷健次郎ですが、みなさん読んだことはありますか?
有名作品としては『兎の眼』、『太陽の子』、『天の瞳』がありますね。
作者が小説家になる前は教師であったこともあり、
先生と生徒、親と子供の関係についてフォーカスした作品が多い児童文学作家です。
教育学部に通っていた親戚に読んだ方がいいからあげるよと、
大量の灰谷作品をもらったのが読んだきっかけでした。
もちろん上記であげた長編もとてもいいのですが、
短編もすごくいいんだよ!ということをお伝えしたいので、今日はこの本を選んだわけです。
そして中でもこの『海になみだはいらない』(タイトルが素晴らしい。口に出して読みたい日本語。)が、
本当に好きでして…
ぜひみなさんにも読んでいただきたいです。
主人公は、島の少年章太。小学校4年生ながら、7~8mくらいなら一気に潜れるほどのもぐりの名人だ。
将来の夢は「漁師」。
ある日章太は、都会から引っ越してきた女の子、佳与と出会う。
どうやら彼女は家の事情で引っ越してきたらしい。
章太は佳与に泳ぎを教えることになって…
この作品、児童文学だけれど大人の私たちに問題提起してくる作品です。
読んでいると日本の教育の在り方とかをう~んと考えずにはいられない。
そしてこの作品に出てくる大人たちがかっこいいんです。
佳与のお父さんの‟ひげの人”がすごくいい。
子供をしっかり一個人として扱っている。対等に接する姿勢が素敵です。
こういう大人になりたいもんだと思います。
この物語の中には道徳的な教えも含まれています。
子供に対してだけではなく、大人の私たちこそ今道徳を学ぶべきなのではないでしょうか。
ちょっと真面目なかんじになってきた!
もちろん児童文学なので、すごく読み易いし、子供の目線でお話が進んでいくので、遠いあの楽しかった夏休みを思い出すこと間違いなしです。
そう、あの小学生の夏休み!
しかも島の話なので、読むと絶対海に行きたくなります。
これも間違いなしです!
ノスタルジックなあの夏を思い出したい方にオススメです。
ちょっと(いやかなり)早いけど、夏休みに読みたい名作です。