inumimiblog

元図書館司書の読書日記。不定期更新。

今日は七夕!星にまつわる本&漫画特集☆

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こんにちは!

今日は七夕ということで、星にまつわる作品をいくつか紹介します☆彡

 

銀河鉄道の夜 / 宮沢賢治 (集英社

 

あらすじ

 

青や橙色に輝く星の野原を越え、白く光る銀河の岸をわたり、ジョバンニとカムパネルラを乗せた幻の列車は走る。不思議なかなしみの影をたたえた乗客たちは何者なのか?列車はどこへ向かおうとするのか?孤独な魂の旅を抒情豊かにつづる表題作ほか、「風の又三郎」「よだかの星」など、著者の代表的作品を六編収録する。Amazon CAPTCHA 

 

銀河鉄道の夜』、物語は知っていても意外と読んだことがないって人もいるかと思います。

宮沢賢治の代表作にして、未完の作品。

作者が未定稿のまま亡くなってしまった為長年研修者を悩ませてきたそうですが、

長年の研究の末、現在出版されている形で落ち着いたそうです。

銀河のお祭りの夜、ジョバンニは気が付くと友人のカムパネルラと一緒に銀河を走る汽車に乗っていた。

幻想的で美しいのに、どこかしんとした哀しさを感じさせる物語です。

七夕の夜、天の川を眺めながらジョバンニと一緒に銀河鉄道の旅へ行ってみるのもいいかもしれません。

 

星の王子さま / サン=テグジュペリ (岩波少年文庫

 

 

 あらすじ

 

砂漠に飛行機で不時着した「僕」が出会った男の子。それは、小さな小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐってから七番目の星・地球にたどり着いた王子さまだった……。一度読んだら必ず宝物にしたくなる、この宝石のような物語は、刊行後六十年以上たった今も、世界中でみんなの心をつかんで離さない。Amazon CAPTCHA

 

言わずと知れた名作童話、『星の王子さま』。

哲学的な名文が散りばめられた本作は、子供の心を忘れた大人に効果てきめんです。

日本でも何度も星の王子さまブームが起こるほど、愛されている作品です。

特にキツネが王子に言う、

「大切なものは、目に見えない」という名言は有名。

他にも数々の名言がこの本につまっています。

七夕の日に再読してみるのもいいかもしれません。

 

きみはポラリス / 三浦しをん (新潮社)

 

あらすじ

 

 どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。三角関係、同性愛、片想い、禁断の愛……言葉でいくら定義しても、この地球上にどれひとつとして同じ関係性はない。けれど、人は生まれながらにして、恋を恋だと知っている──。誰かをとても大切に思うとき放たれる、ただひとつの特別な光。カタチに囚われずその光を見出し、感情の宇宙を限りなく広げる、最強の恋愛小説集。 

きみはポラリス (新潮文庫) | 三浦 しをん | 本 | Amazon.co.jp

 

七夕の乙姫と彦星の悲恋を思いながら、ラブストーリーはいかがでしょうか?

この『きみはポラリス』のポラリスとは、

 

ポラリス (Polaris) は、こぐま座α星、こぐま座で最も明るい恒星で2等星。現在の北極星である。ポラリス (恒星) - Wikipedia

 

本書には様々な形の恋愛を描いた11個の短編が収められています。

人が誰かを強く愛するようになる経緯は、人それぞれ全く違うんだな~

と改めて実感するような恋愛短編集です。

あなたも今宵北の空にポラリスを探してみては?

 

よくわかる宇宙のしくみ (図解雑学) / 吉川真 (ナツメ社)

  

 内容

太洋はどうやって輝いているの?星空にミルクを流したような天の川の正体は?土星の環は何でできているの?私たちがいつも見上げている宇宙には尽きることのないロマンや夢があります。この本では、太陽と太陽系の惑星、恒星、銀河、宇宙の構造のほかにも、古代の宇宙観から最新の観測結果にもとづく宇宙論まで、宇宙の謎を項目別にわかりやすく図解しています。カラーの美しい写真やイラストを満載しましたので、誕生から137億年たった「宇宙」が楽しくわかります。Amazon CAPTCHA

 

 幻想的、哲学的、恋愛小説ときたら、もう逆に科学的な本はいかがでしょうか?

私がいつもお世話になっている、「図解雑学」シリーズの『宇宙のしくみ』です。

この「図解雑学」、本当に分かりやすくカラーで図がたくさんあるので、

今まで勉強してない専門分野に手を出す初めの1冊に最適の本です。

宇宙って意味わからなくないですか?

夜、宇宙について考えていたら怖くなって発狂しかけたことがあるのは私だけですか?

この本を読むと、宇宙の基本的なしくみが簡単に理解できます。

得体の知れなかった宇宙が姿を現してくれるので、怖くなくなります。

宇宙が怖い方、ぜひ読んでみて下さい!(趣旨が変わってしまった)

 

あらすじ

 

2010年、日本初の有人宇宙探査ロケット「獅子号」が打ち上げられた。しかし、獅子号は鴨川アスミの住む唯ヶ浜市街地に墜落する。これにより、日本の宇宙開発は大きく遅れる事になった。

数年後、アスミの前に、獅子号の搭乗員だった高野の幽霊であるライオンさんが現れる。彼は独りぼっちだったアスミに、自らが果たせなかった宇宙への夢を語った。その話を聞いてライオンさんと「ある約束」をしたアスミは、大きくなったらロケットの運転手になる、と心に誓う。

中学卒業後、新設されたばかりの宇宙飛行士養成高等専門学校、「東京宇宙学校」に進学したアスミは、そこで同じ夢を持つかけがえのない仲間に出会う。様々な困難を乗り越えながら、アスミは仲間と共に宇宙を目指して進んで行く。ふたつのスピカ - Wikipedia

 

 最後に漫画を紹介します。

この『ふたつのスピカ』、NHKでドラマ化もしていました。

全16巻で、完結しています。

これ、すごくいいんです。

未来が舞台なんですけど、絵が素朴で可愛いのでほのぼのした雰囲気があります。

そしてストーリーがしっかりしているので、どうなるんだろう?とどんどん読めちゃいます。

また設定が東京宇宙学校っていうのもいいですね。

SFファンタジーでありながら、主人公のアスミと仲間たちの青春も楽しめる。

なかなか欲張りな漫画です。

ちなみにスピカとは、

 

スピカ(Spica)は、おとめ座α星、おとめ座で最も明るい恒星で全天21の1等星の1つ。春の夜に青白く輝く。スピカ - Wikipedia

 

この時期は、西の空に見えるそうなので探してみて下さい☆

 

おわりに

今日は七夕ということで、星にまつわる物語をいくつか紹介しました!

我が家では笹は入手出来なかったので、今日の夜は『銀河鉄道の夜』を読みながら、

天の川を探してみようと思います☆

大人に読んでほしいファンタジー 『九年目の魔法』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

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こんにちは!

今日は、大人に読んでほしいファンタジー作品を紹介します。

 

九年目の魔法 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ (創元推理文庫

 

九年目の魔法 上 (Sogen bookland)

 

あらすじ

なにか、おかしい。壁にかかった懐かしいこの写真も、愛読してたベッドの上のこの本も、覚えてるのとは違ってる。 まるで記憶が二重になってるみたい。そう、ことの起こりは確か十歳のとき。大きな屋敷にまぎれこんだら葬式をやってて、そこでリンさんていう男の人に出会って、それから、なにかとても恐ろしいことが……少女の成長と愛を描く魔法譚。

『九年目の魔法』ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 表紙裏より

 

感想

 私の大好きな児童文学作家、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

ジブリ映画のハウルの動く城の原作の著者です。

しかし今日はハウルではなく、彼女の作品の中で私が一番好きな作品を紹介します!

 

ストーリー

 主人公・ポーリィは19歳。舞台は現代のイギリス。

大学の新学期が始まるので、祖母の家に滞在していたポーリィは荷造りをしていた。

そしてベッドの上にかかっている「火と毒草」という写真を見上げて、

奇妙な違和感を感じる。

あれ?この写真ってこんな風だっただろうか。

 ポーリィは荷造りに飽きて、2年ほど前に購入した「忘れられた時代」という短編集を再読していた。

しかし奇妙だ。2年前に買ったときは、こんなタイトルではなかったはずだ。

それに、「火と毒草」という話が収録されていたはずなのに見当たらない。

それどころかこの本で読んだはずの話の半数が収録されていない。

しかし今収められているらしい短編は全部読んだ記憶がある。

夢を見ていたのだろうか?

どうやら記憶が2重になっていることに気づいたポーリィ。

彼女が本当のような夢を見るのはしょっちゅうだった。

しかし夢の割にはもう一つの記憶はぞっとするほどリアルだ。

こんな風に記憶が2重になる前のことを思い出そうと、

ポーリィは10歳の時の記憶を回想し始める。

はたしてこの2重の記憶の正体は何なのか?

ポーリィは思い出すことができるのだろうか。

 

 

大人に読んでほしいラブストーリー

 それにしても、この本の邦題は素敵だ。

原題は、「火と毒草(Fire and Hemloc)」というのですが、

私はこの邦題のほうが好きです。

この物語はポーリィの10歳から19歳の9年間のお話です。

そして、ファンタジーの女王・ジョーンズの作品なので、

当然魔法が出てきます。ファンタジー作品です。

ポーリィは10歳の時に、偶然迷い込んだ不思議な葬式でリンさんという男の人に出会います。

リンさんはポーリィの空想話に付き合ってくれ、二人は仲良くなります。

しかしその葬式にポーリィが紛れ込んだことで、リンさんの運命が変わっていきます。

そしてポーリィにも魔法が降りかかってきます。

この二人を軸に物語は展開するのですが、これは児童文学というよりかは、

大人向けのファンタジーという印象です。

ひとりの少女の成長と冒険、愛の物語です。

 

ミステリ要素も入ってます

 この物語、結構伏線が張られています。

そして、一度読んだだけでは分からなかったりします。

再読してみて気が付いた伏線もありました。

意外と難かしい。難しいけど面白い。

特に最終章はジェットコースターのようにすべての謎が解けていきます。

 

本読みの琴線に触れる名言

話の中で、リンさんとポーリィは手紙のやり取りをしているのですが、

あるクリスマスの日、リンさんがポーリィに数冊の本を贈ってきます。

その中に入っていた手紙の一文が素敵だったので紹介します。

 

どんな人もこれを読まずに育ってはいけない、と本屋が教えてくれたものばかりです。 『九年目の魔法』p118

 

素敵です。

因みに入っていた本は、「オズの魔法使い」「砂の妖精」「ライオンと魔女」…そのほか合計で13冊。

さすがは児童文学の聖地、イギリスです。

 

おわりに

今日は、ファンタジー小説を紹介しました。

少女の成長を通した壮大な9年の愛の物語、ぜひ読んでみて下さい。

 

森ワールドはここから始まる!『すべてがFになる』 森博嗣

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こんにちは!

今日は名作ミステリを紹介します!

 

すべてがFになる THE PERFECT INSIDER / 森博嗣 (講談社文庫)

 

あらすじ

 

孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。  すべてがFになる森博嗣 表紙裏より

 

感想

 

はい~!ついに登場、森博嗣

私大好きなんです。森ワールドの住人になりたいくらいです。

今日は森博嗣のデビュー作でもあり代表作の一つでもある『すべてがFになる』を紹介します!

ドラマ・アニメ化もしているので知っている方も多いのでは?

 

ストーリー

N大助教授・犀川創平とN大の学部1年生・西之園萌絵は、ゼミの合宿で日間賀島を訪れていた。

日間賀島真賀田四季博士が所有する孤島であるが、お嬢様の萌絵の力でキャンプの場所を提供してもらった。

島にある真賀田四季博士の研究所に犀川と萌絵がいる時に、偶然にも殺人事件が発生する。

被害者は真賀田博士。しかし彼女の部屋は密室だった。

果たして彼女は誰に殺されたのか?

二人は真相を暴くことができるのか?

 

S&Mシリーズの第一作目

この『すべてがFになる』は、森博嗣のデビュー作で、第1回メフィスト賞を受賞した作品です。

そして、彼の代表的なシリーズのひとつ、S&Mシリーズの第一作目でもあります。

ちなみにS&Mシリーズとは、本書の主人公・犀川創平と西之園萌絵のふたりのイニシャルにちなんで名付けられています。

この二人が主人公の作品群をS&Mシリーズと言い、全部で10作品あります。

全ての作品に、英語のサブタイトルもついていて、それがとても洒落ています。

 

理系ミステリ

著者の森博嗣は、なかなか面白い経歴の持ち主で、元名古屋大学建築学科の助教授です。

デビューしてしばらくはミステリ作家と助教授の二足の草鞋だったそうです。

彼の作品は、理系ミステリと言われていて、トリックがとても理系的です。

理路整然とした謎解きが楽しめるのも特徴です。

本書も、というかS&Mのメインキャラクターの二人も、

犀川先生がN大建築学科の助教授、西之園萌絵は同じ学科の生徒という設定です。

読んでいると、犀川先生と著者の森博嗣をついつい重ねてしまいます。

 

余談ですが、私の知人は高校2年生の時にこのシリーズに出会い、

急遽理系の学部に進学することに決めたそうです。

彼女は今、研究の道に進んでいます。

私も早く出会っていれば、今頃白衣着てたかも…と妄想しちゃいます。

(当時の数学の成績を思い返せば、絶対無理だったけど!)

 

魅力的なキャラクターと森ワールド

本書の魅力は、奇想天外なトリックだけではありません。

魅力的なキャラクターの人間ドラマ、個性的な森ワールドにハマる人が続出しています。

ミステリとしての面白さもさることながら、

シリーズを続けて読んでいくと、この人間ドラマに夢中になってしまうと思います。

そしてまた次、また次、次のシリーズ…といつしか本棚が森作品だらけという事態に。(経験談)

本書を読んで、面白いと感じたら、ぜひこのシリーズを続けて読むことをお勧めします!

 

おわりに

今日は森博嗣の理系ミステリを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

この本をきっかけにたくさんの人が森ワールドに足を踏み入れてくれたらいいな!

 

 

森博嗣<1957->

1957年愛知県生まれ。工学博士。 某国立大学の工学部助教授の傍ら1996年、『すべてがFになる』(講談社文庫)で第1回メフィスト賞を受賞し、衝撃デビュー。以後、犀川助教授・西之園萌絵のS&Mシリーズや瀬在丸紅子たちのVシリーズ、『φ(ファイ)は壊れたね』から始まるGシリーズ、『イナイ×イナイ』からのXシリーズがある。 ほかに『女王の百年密室』(幻冬舎文庫新潮文庫)、映画化されて話題になった『スカイ・クロラ』(中公文庫)、『トーマの心臓 Lost heart for Thoma』(メディアファクトリー)などの小説のほか、『森博嗣ミステリィ工作室』(講談社文庫)、『森博嗣の半熟セミナ博士、質問があります!』(講談社)などのエッセィ、ささきすばる氏との絵本『悪戯王子と猫の物語』(講談社文庫)、庭園鉄道敷設レポート『ミニチュア庭園鉄道』1~3(中公新書ラクレ)、『自由をつくる 自在に生きる』(集英社新書)など新書の著作も多数ある。  Amazon.co.jp: 森 博嗣:作品一覧、著者略歴

 

 

 

初心者におすすめ!図面の読み方の基本。『図面ってどない読むねん!LEVEL 00』 山田学

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こんにちは!

今日は需要があるかどうか分からない、ニッチな本を紹介します!

 

図面ってどない読むねん!LEVEL 00 / 山田学 (日刊工業)

 

 

 

 

内容

 

本書は、設計部門以外で図面を受け取って業務をする営業や生産管理などスタッフ向けにターゲットを絞ったものです。
図面ってシリーズの中で、レベル00と最下位番号ながら、JISの作法を忠実に守って書くための「レベル0~レベル2」に加えて、JISにない作法は自分で考えてもよいという「レベルPlus+」を含めて、最上位に位置づけされる製図本です。
なぜなら、設計の下流工程の担当者にとって、受け取った図面がJISの作法を忠実に守っているとは限らず、ローカルルールや海外規格、オリジナルの表現、勘違いによる図面ミスなど様々な情報が入ったものを許容して業務を遂行しなければいけないからです。
本書ではJISの作法(国際スタンダード)について解説すると共に、JISとは異なる現場の作法(デファクト・スタンダード)についても、"慣例的に現場ではこのような言葉を使っています。同様に解釈してかまいません"のように、建前だけで漠実務現場の本音についてまで言及しています。 

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感想

 

今日はかなりニッチな本の紹介です。

なんと、「設計図面の読み方」の本です!

需要があるのか?

でも私は実際にこの本が仕事で役に立ったので紹介します。

 

この本を読んだ経緯

最初に言っておきますが、私、骨の髄まで文系です。

図面を書いたこともないし、理解する必要に迫られたこともありませんでした。

というかそういう職業に就いたこともありませんでした。

しかし、前職で派遣として商社で営業事務で働きだした際、

まさかの図面を理解する必要に迫られたのでした。

「おいおい聞いてないよ!」と上司に言いたいのをグッと堪え、勉強することにしました。

幸いなことに我が家の夫は、私とは正反対のバリバリの理系で技術職の人間なので、

図面はもちろん読めるし、書ける。

そこで相談したところ、夫が貸してくれたのが本書でした。

 

文系の私でも理解できる!

本書の表紙になぜかひらがなで書いてある、

「だれにでもわかりやすくやさしくやくにたつ」。

え~?ほんとに?と半信半疑で読み始めましたが、

これまた意外と読めちゃったのです。

この本のターゲットが、設計の人間だけでなく他部署の人間も想定に入れて作られている為、

最初の基本から丁寧に分かりやすく説明してくれるので、とても分かりやすいです。

なんと、図面の折り方まで教えてくれる徹底っぷり。

事務の人間にとっては大変ありがたい。

 

現場のリアルを押さえた実用書

作者の山田学さんは、若い時からエンジニアとしての経歴がある方です。

それらの経験を生かして本書を作成しているので、

綺麗ごとだけでなく、ローカルルールが蔓延している現場の現状も踏まえ、

実務優先に特化した内容になっています。

 

図面に関わるのは設計だけではない

図面を読む必要があるのは設計だけだと思いますか?

答えはNOです。

ざっと挙げてみると、生産管理・生産技術部門・加工部門・検査部門・品質保証・営業…

さらに上記の部署のアシスタントの事務職の社員も図面に関わる場合があるかもしれません。

派遣社員の私でも図面を読む必要に迫られたくらいですので、

意外と日々の業務に多かれ少なかれ図面の存在がある人も多いのでは。

もしかしたら勉強しなくても、最低限の知識のみで仕事はできるかもしれません。

でも、もう少し図面の読み方を知っていれば業務遂行がスムーズになるかもと

感じている方、本書は本当に基本的なことも教えてくれるのでお勧めです。

また、手元に置いておいて、疑問に思ったことを調べるのもいいかもしれません。

 

図面って案外面白い

仕事で本書を読むことになったわけですが、図面って面白いなと思うようになりました。

この平面の図面を読み解くことで、三次元のモノが頭の中にイメージとして浮かんでくる。

とてもワクワクします。

図面というと、どうしても機械系のイメージがありますが、

家具とかも図面があるわけです。

DIYとか趣味でやる方にも本書はおすすめです。

 

おわりに

今日はかなりニッチな分野の本でしたがいかがでしたでしょうか。

私自身、ほんとに根っからの文系で、どちらかというと図面は苦手な分野です。

しかしそんな私でも理解できたということを最後にお伝えします。

では、ここまでお読みいただきありがとうございました!

 

 

ミステリとサスペンスってどう違うの?火曜サスペンス劇場の矛盾。

 

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こんばんは!

今日は日曜日ということで、読書感想はお休みしてよもやま話を!
 

ミステリとサスペンスの違い

 

みなさん、ミステリとサスペンスの違いって何なのかご存知だろうか。

小説や映画やテレビドラマの人気ジャンルの割に、意外と知らない人も多いのでは。

今日はこのふたつの違いについて語っていこうと思います。

まあ知らなくても何も困らないのだけれど…

 

ミステリ

 

 

 

ミステリと聞いてイメージするのは、シャーロックホームズや金田一耕助などの探偵ではないだろうか。

孤島や密室で起こった殺人事件の謎を様々な証拠を基に解決していく。

探偵もしくは探偵役の誰かを主人公にして、読者(観客)と共に謎を解いていく。

その過程を楽しむのがミステリだそうだ。

 こういうことですね☟

 

ミステリとは

謎の提示→謎を解く鍵を提示しつつ推理する→最後に犯人が分かる

 

サスペンス

では、サスペンスとは何なのだろうか。

ミステリと違いがあるのだろうか。

私はずっとミステリの中でもよりハラハラ感のあるものかな、

と完全にミステリに毛が生えたくらいの認識でした。

しかし実際はそうではないようです。

 

どうやらサスペンスとは、「犯人が最初に分かる」ものだそうだ。

こういうことですね☟

 

サスペンスとは

事件が起こると同時に犯人が分かる→探偵役と犯人の攻防にハラハラドキドキ

→エンディング

 
ずーっと勘違いしていたのでびっくりです。
アルフレッド・ヒッチコックの映画などはサスペンスだそうです。

 

 

あと、最初に犯人が分かるといえば、三谷幸喜監督の古畑任三郎ですね!

 

警部補 古畑任三郎 1st DVD-BOX

警部補 古畑任三郎 1st DVD-BOX

 

 

いや~これ好きだったな~。

今でも再放送やっていると必ず見てしまいます。

 

 

総括

 

ミステリとサスペンスの違いをまとめると、

 

犯人が最後に分かるか、先に分かるかの違いです。

 

いままでグダグダ書いてきましたが、結論は1行でまとまりました。

このふたつの違いを踏まえて、私、一つの矛盾に気がついてしまいました!

 

火曜サスペンス劇場ってミステリじゃないの?

 

サスペンスって書いてあるのに、あれ?最後に犯人分かるような…しかも崖で。

タイトルはサスペンスですけどあれってミステリですよね?

 

***

 

と、まあそんなかんじで…

もうみなさん、最初からこの記事のオチに気づかれていたかと思いますが、

ここまでこの本当にどうでもいい記事にお付き合いいただきありがとうございました。

 

では、おやすみなさい。

 

 

読むとお腹が空いてくる本。『ペンギンと暮らす』 小川糸

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こんにちは!

今日は読んでいると思わずお腹が空いてくるエッセイを紹介します。

 

ペンギンと暮らす / 小川糸 (幻冬舎文庫) 

 

 

あらすじ

 

夫の帰りを待ちながら作る〆鰺。風邪で寝込んだときに、友人が届けてくれた菜の花ご飯。元気を出したい人の為に、身体と心がポカポカになる野菜のポタージュ…。大切なお客さまの為ならば、八百屋を6軒はしごすることも厭わない。そんな著者の美味しくて愛おしい、もてなしの毎日。ベストセラー『食堂かたつむり』の著者が綴る日記エッセイ。

『ペンギンと暮らす』小川糸 表紙裏より

 

感想

 

読むととってもほのぼのした気持ちになります。

日記形式のエッセイで、作者の一年間の日々を綴った本です。

 

本当にペンギンと暮らしているわけではない

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どうやらペンギンを飼っているわけではないらしい。

 

 ところで、いつ頃からか私はペンギンと暮らしてみたいと思うようになった。鳥なのに空を飛ぶことができず、けれど泳ぎは上手でなんか不器用。ぽってりとしたおなかも愛らしい。けれど、東京でペンギンと暮らすのは無理。そこで、同居人の夫をペンギンだと思うことにしたのである。

『ペンギンと暮らす』p16

 

この発想が面白いし、仲の良さが伝わってくる。

夫がペンギンだと思えば、いらいらすることがあっても、

「ペンギンだからしょうがない」と許せる気がする。

 

美味しいものがたくさん

このエッセイには美味しいものがわんさか出てくる。

作者の小川糸の『食堂かたつむり』にも美味しいものがわんさかあるので、

これは作者ただ者ではないな!とは思っていたのだけれど、ほんとうにただ者ではなかったようだ。

作者自身、料理がすごく上手なようで、食材から見極めるこだわりっぷり。

八百屋のはしごは当たり前だそう。

出てくる料理もよだれが出るほど美味しそう。

そして日記形式なので、旬のものを取り入れたご飯なんだなとすぐわかる。

 

メインは、筍ごはんのおむすび。

おかずは、キャベツのお新香と、筑前煮と、こごみの胡麻和え。

そのまま、ピクニックにでも行きたくなった。p107

 

これは、4月20日の文なのだけど、おなかがグ~ってなる。

こごみなんて家で調理したことない。

餃子にクレソンと椎茸入れたことないよ!

今度入れてみようかな。

 

丁寧な暮らし

全体的に丁寧な暮らしをしているのが伝わってきます。

丁寧なご飯を作る、旬のものを取り入れて、四季に敏感な暮らし。

とても憧れます。

 

おわりに

このエッセイを読むと、心に余裕が生まれるような気がします。

ゆるゆるとした気分になり、癒し効果抜群です。

あと、お腹が空きます。

気を付けてください。

 

 

 

【漫画】 涙無しでは読めない、感動の夫婦の物語。『千年万年りんごの子』 田中相

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千年万年りんごの子(1)~(3)  / 田中相 (講談社

 

 

 

あらすじ

 

親を知らない夫。りんごと育った妻。夫婦は、りんごの村の禁忌を破った。雪深いりんごの国に婿入りした雪之丞。昭和の激動から離れ、北の家族と静かに巡る四季は親を知らない彼の中になにかを降り積もらせてゆく。それは冬、妻の朝日が寝込んだ日。雪之丞の行動が、りんごの村に衝撃を与えた。りんごの時間が動き出す、田中相初連載作!

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感想

 

物凄い作品です。

泣きました。目が腫れるほど泣きました。

田中相の作品は初めて読みましたが、これまたITANに連載していた漫画のようです。

ITANすごいな!

 

ストーリー

時は昭和。

主人公は雪之丞という青年。

彼はお寺の息子だが、両親・兄とは血が繋がっていない。

赤ちゃんの時に寺の前に捨てられていたところを両親に拾われ愛情深く育ててもらった。

しかし彼は何かをあきらめたかのような、飄々とした青年に育った。

そんなある日、雪之丞のもとに婿入りの話が来る。

お見合いの席にいたのは雪国のりんご農家の娘、朝日だった。

ふたりは特に好き合ったわけではなかったが、それぞれ運命を受け入れるように結婚する。

東京から雪国のりんごの村に婿入りした雪之丞は、

朝日の家族と共にりんご作りに勤しむ日々の中で幸福を感じていく。

そして、いつのまにか朝日に惹かれていく自分に気づく。

しかしある雪の日、朝日が風邪で寝込んでしまう。

他の家族が家にいない中、雪之丞が良かれとして朝日にした行動は、

このりんごの村の禁忌だった。

朝日は因習の犠牲になってしまうのか。

古からの土地神を呼び起こしてしまった雪之丞は朝日を救うことができるのか。

 

…と、これ以上はネタバレになるのでここまで!

 

日常に起こる怪奇

最初は、りんご農家に婿入りした青年の農業奮闘記漫画か?と思わせるようなほのぼの感。

なにしろ絵が綺麗だし、セリフもシンプルでいいかんじ。

しかし油断していると、あの禁忌を犯してしまった雪の日からの展開にびっくりします。

ファンタジーだったんだ!と。

いや、日本人の私たちにとったらファンタジーというよりかはホラーに感じるかもしれない。

雪国の村に伝わる因習、土地神への信仰。

普段はあたたかい村人が、禁忌については雪之丞に教えてくれない閉鎖的な部分。

朝日の身に起こる異変。

日常を営みながらも確実に夫婦を追い込んでいく怪奇。

東京出身の雪之丞はそんなことがあるわけないと思いながらも、

確かに起こる不思議な出来事を認めざるを得ない。

とても怖いです。

怖いというよりかは、畏怖。

 

キャラクターが魅力的

田中相の描くキャラクター、全員とても魅力的なのです。

雪之丞の両親と兄もとてもいい人たちだし、

朝日の家族や幼馴染もすごくいい味を出している。

そしてもちろん、雪之丞と朝日はとっても魅力的。

この夫婦がすっごく好きになりました。

好きすぎて、この2人のハッピーエンドを願わずにはいられませんでした。

最終巻(3巻)は泣きながら読みました。

 

おわりに

この作品は全3巻です!

一気に読み切ることができると思います。

果たして、雪之丞と朝日はどうなるのか、ぜひ確かめてみて下さい。

本当にオススメの漫画です!

 

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