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元図書館司書の読書日記。不定期更新。

【漫画】 もうすぐ3巻発売予定!人間社会の本質を描く。『ランド』 山下和美

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こんにちは!

今日は『天才 柳沢教授の生活』や『不思議な少年』で有名な山下和美

現在連載中の漫画、『ランド』を紹介します。

現在単行本は2巻まで出ていて、今月の7/22に3巻が発売予定です!

 

ランド (1)~(2)/ 山下和美  (モーニングKC)

 

 

 

あらすじ

その村では、人は必ず50歳で死を迎える。村人を縛るしきたり、「あの世」と呼ばれる山の向こう。双子の姉を生け贄に捧げられた少女・杏。
獣の皮をかぶった役人達が取り仕切る「この世」と呼ばれる村で神に見守られて暮らす人々。そして、不思議な山の民。杏が見つめる先には希望も絶望もある。この物語で描くのは山下和美が抱く、日本という国への不安。 Amazon CAPTCHA

 

感想 

人間社会の残酷さ

 まるで映画を観ているかのよう。

山下和美の最新作『ランド』はそんな壮大な世界観の漫画です。

主人公の杏は、とても好奇心旺盛な少女。

杏の暮らす村には言い伝えがあり、村を四方から囲む山の向こうには村人は決して足を踏み入れない。

かつて人々が豊かさを求め山を切り開こうとした際、神々の怒りに触れ天変地異が起こった恐ろしい記憶があるからだ。

四方には村人から畏れられている「神」がいる。

(神というわりにおどろおどろしいので私には死神に見えてしまう…)

山に踏み入ると、暗くなっても外にいると、その神々から天罰が下ると村の子供たちは教えられる。

また杏は実は双子であったが、杏の片割れの赤ん坊は凶相があると役人に言われてしまう。

双子の父、捨吉は泣く泣く山の神への捧げものとして、その赤ん坊を山に置き去りにするしかなかった。

その赤ん坊のことを忘れないために、その子をアンと名付け、捨吉は自分の眼を潰した。

 

***

 

この作品を読んで人間は残酷な生き物なんだ。と再認識しました。

上記の村を縛る掟は一昔前なら普通に存在していただろうと思う。

(姥捨て山とか双子の迷信とか)

そしてこういうものはきっと、現代でも姿かたちを変えて蔓延っている。

 

杏の行動力

そんな閉鎖的な村で育ったのに、杏は自由奔放。

様々なタブーを飛び越えてしまう。

人が疑問にも思わない、村の風習にも「なぜ」と疑問を持つような子。

そんな杏が村の掟を破ったことにより、今まで隠されてきた真実の片りんが見え隠れし始める。

この物語が全体的に禍々しいオーラを纏っているので、

杏が鷹を使って空を飛ぶシーンは特に清々しく感じる。

杏の存在自体が、この物語のなかでひと際輝いて見えるのだ。

当たり前のことに疑問を抱ける杏。

現代にこそそういう能力が必要なのかもしれない。

 

1巻ラストの衝撃

 ここまで読んでくれた方、とりあえず1巻を読んでみましょう。

1巻のラストに驚愕のヒキが待っています。

 

おわりに

 今日は、『ランド』を紹介しました。

まずは予備知識の少ない状態で読んでほしいので、あまり内容には触れませんでしたがいかがでしたでしょうか。

緻密な絵で彩られる物語にグイグイ引き込まれていくと思います。

当たり前を当たり前に享受して生きる日々。

そんな毎日が続く保証はどこにもないんだと、この物語を読んで思いました。

とりあえず、みなさん選挙に行きましょう。笑

 

7/22に最新刊の3巻が出ます!

あ~早く続きが読みたい!!!

 

 

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