【前編】ハルキストではないが彼の作品は「悪くない」。『羊をめぐる冒険 』 村上春樹
こんにちは!
今日は好き派と嫌い派、なぜか両極端に分かれる村上春樹作品を紹介します。
羊をめぐる冒険 / 村上春樹 (講談社)
あらすじ
あなたのことは今でも好きよ、という言葉を残して妻が出て行った。その後広告コピーの仕事を通して、耳専門のモデルをしている二十一歳の女性が新しいガール・フレンドとなった。北海道に渡ったらしい“鼠”の手紙から、ある日羊をめぐる冒険行が始まる。新しい文学の扉をひらいた村上春樹の代表作長編。 『羊をめぐる冒険』村上春樹
村上春樹作品の好き・嫌いに対する一考察
感想を書く前に、なぜ村上作品は好き派と嫌い派に分かれるのか考えてみたいと思います。
ノーベル文学賞の時期になると、「今年こそ受賞なるか?!」とTVで盛り上がる村上春樹氏。
そしてその話題と同時に必ず取り上げられるのがハルキストの人々。
彼らはなんかブックカフェみたいなところでワイン?だかシャンパンだかを飲みながら受賞の吉報を今か今かと待ち望んでいる、そんな映像をここ数年毎年みているような…
そして世間ではそんな彼らに対してにわかファンだ!とかファッションで読んでいるんだろ!とか風当りは強めなような気がします。
彼らハルキストの熱狂に少し引いてしまう自分がいるのは確かなのですが、
私は彼らに対して全く否定的ではありません。
なぜなら私は村上春樹の作品が好きだから!
でもハルキストではありません。
というかどうやらハルキストの条件をクリアしていない模様。
ホットケーキにコーラをかけて食べないし、高円寺周辺に詳しくないし、ジャズは好きだけどそれはトランペット吹いてたからだし、華麗なるギャッツビーは読んだことないし、そもそも村上作品を全部読破していないし。
私が読んだことがあるのは今日紹介する『羊~』も含めて5冊ぐらいです。
あ、あと、村上春樹風のセリフも言わない!
本当かどうかは知りませんが、ハルキストの中には彼の作品のセリフを日常生活に使う人もいるとか!(デマな気がする)
というわけでそれはちょっと面白そうなので、昨日夫との会話に織り交ぜてみた。
私「やれやれ」
夫「え?やれやれ?なに?どうしたん?」
私「ちょうど今日で私たちが結婚して2年と11か月になる。」
夫「そやな~」
私「悪くないな」
夫「?うん…?」
このあたりで夫がコイツ大丈夫か?的な目で見てきたので止めました。
思いのほか難しかった、ハルキ語…「素敵なようだな」も言いたかったのに。
そしてそもそも夫は村上作品を一冊も読んでいないので何も伝わらなかった。
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ハルキストに対するアンチは置いといて、
なぜ村上春樹作品 そのものに対して好き嫌いがこうもはっきり分かれるのでしょうか。
あの海外翻訳本のような文体?どうもピンときません。
しかしこの現象に対して、激しく共感する記事を見つけました。
「チェコ好きの日記」さんのこの記事です。
この部分!
『ノルウェイの森』から入った人は、高確率でアンチになる
私のまわりのアンチ村上派に、「いちばん最初に読んだ村上の本は何?」と聞くと、高確率で返ってくる答えが『ノルウェイの森』です。
村上春樹の「好き」「嫌い」はどこで分かれるのか? に関する一考察 - チェコ好きの日記
確かに!!と思いました!
そういえば大学時代、友達のY子が当時想いを寄せていた先輩から『ノルウェイの森』を贈られて、初めて村上作品を読んだ感想が、
「え?理解できない…なにこの主人公…なんでここでこの行動?生理的に無理。」
といってアンチ村上派になっていました。
おまけにこの本を贈った先輩のことも何考えてるかわからんとか言っていたので、
当時彼らが付き合わなかったのは少なからずこの本の影響もあると思われる。
まあそんなよもやま話は置いといて、
確かに『ノルウェイの森』は他の作品の中では異質な存在です。
私の初めての村上作品はこの『羊をめぐる冒険』だし、
次は『ねじまき島クロニクル』→『海辺のカフカ』を経てようやく『ノルウェイの森』を読んだので、
村上春樹作品のイメージはファンタジーを織り交ぜた不思議な物語なイメージなのです。
だからこのちょっと非日常感のある主人公に対してイライラせずに受けとめられるのか!
とチェコの日記さんの記事に本当に共感しました。
☟
と、ここまで書いて、すでに1800文字くらいのボリュームになってしまいました。
このままいくとすごい長い記事になってしまうので、前編と後編に分けることにします。
次の後編ではようやく『羊をめぐる冒険』の感想について書きたいと思います!
ではまた~♪
【後編】はコチラ☟