【後編】ハルキストではないが彼の作品は「悪くない」。『羊をめぐる冒険』 村上春樹
こんにちは!
今日は前回の記事で書ききれなかった本題の『羊をめぐる冒険』の読書感想を書きます!
前編はコチラ☟
羊をめぐる冒険 / 村上春樹 (講談社)
あらすじ
あなたのことは今でも好きよ、という言葉を残して妻が出て行った。その後広告コピーの仕事を通して、耳専門のモデルをしている二十一歳の女性が新しいガール・フレンドとなった。北海道に渡ったらしい“鼠”の手紙から、ある日羊をめぐる冒険行が始まる。新しい文学の扉をひらいた村上春樹の代表作長編。 『羊をめぐる冒険』村上春樹
感想
いや~【前編】ではついついハルキストのことと、なぜ村上春樹は好き派・嫌い派で両極端に分かれるのかということをつらつらと書いていたらまさかの2000字オーバーになってしまうという…
このままだと4000字くらいになるのではと思ったので、僭越ながら前編・後編で分けさせて頂きました。
こんなに記事作成に筆が乗る、もとい指が乗る?のは自分で思っているよりも春樹が好きなのかも。
そんなわけでこの【後編】ではようやくいつも通り、普通に読書感想を書いていきます!
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どんなストーリーなのか?
主人公は三十路手前の「僕」。
「僕」は妻と別れた直後、大学時代に関係を持ったことのある女の子が車に轢かれて死ぬ。
そして8月、「僕」は少し不思議な能力を持つ耳専門のモデルの女の子と付き合う。
ある日ベッドの中で彼女は「大事な電話がかかってくるわよ。」という。
「羊のことよ。」という彼女の言葉通り、「僕」が経営する広告代理店で使った羊の写真に関することだった。
それは大学時代の友人の「鼠」が北海道から「僕」に送ってきた写真だった。
右翼の大物政治家から半ば脅されるようにこの羊を探すように依頼された「僕」は、
彼女と共に北海道へ冒険の旅に出る。
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村上作品の引力について
さて、【前編】でも述べた通り、この『羊をめぐる冒険』が私の初・村上作品です。
両親のものだか誰のか分からないけれど、実家の本棚に置いてあったので手に取りました。
そしてこの不思議な村上ワールドにあっという間に引きずり込まれ、
なかなか現実世界に戻ってこれませんでした。
眠る前に読んでいたせいか、読み終わるまで毎日、悪夢をみました。
とそんなことをいうと、怖い話なの?!と思ってしまうかもしれませんが、
そういうことではなくて、村上作品は引力が強いのです。
村上ワールドというものが完全に確立していて、
それは例えば、あの翻訳本のような独特の文体や、現実と非現実的なものが織り交ざったストーリーとかがその世界観を作っているのですが、
そういう村上ワールドに囚われると、もう蟻地獄にハマってしまったようなもの。
良くも悪くもこの独特の世界が好きな人・ダメな人で好き派・嫌い派に分かれると思います。
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初めて村上春樹を読む人にオススメ
この今日紹介した『羊をめぐる冒険』は、初めて村上作品を読む人にオススメします。
私がこの本を1冊目に読んで、村上作品にはまったというのも一つの理由ですが、
初期のころの長編作品だというのも理由の一つです。
村上春樹らしさが出ている上に、『ねじまき島~』より短めですし、読み易いと思うからです。
【前編】で述べた通り、間違っても『ノルウェイの森』を1冊目に選ばないでください。
というわけで、【前編】・【後編】とかなり長くなりましたが、
これで『羊をめぐる冒険』の紹介は終わりです。
「やれやれ」←
ここまでお付き合いいただいた方、本当にありがとうございました。
この記事で、少しでも村上春樹の作品を読んでみたいなと思ってもらえたら幸いです。
では、また明日~♪